高品位な音響再生システムを実現する為,信号増幅・伝送システムの高品位化を実現する要素技術とシステム構築技術について研究を行っている。抵抗器,コンデンサ,ケーブルなどの受動素子の電気信号伝達特性について高精度な計測手法を開発し,受動素子における歪み発生について明らかにしていくことを目指している。また,低歪みな受動素子の要件を明らかにする必要がある。さらに,信号増幅・伝送システムとして高品位伝達特性を実現するシステム構築方法について研究を 行い,高品位な信号増幅・伝送システムを実現していく。
デジタル技術の進展により,元となる音響信号の精度と品位は著しく向上している。また,デジタル信号の加工により高い臨場感を実現する技術も著しく進歩してきている。一方で,アナログである音そのものについては,評価手法が何十年も変わらず,その品位は進歩せず停滞を極めている。本研究では,音の品位を劣化させている要因と状況を探るため,受動素子の応答特性を探ることから始め,システムとしての応答を評価する手法を明らかにする研究の第一歩として信号の高精度な計測による歪みの発生状況について検討を行っている。
抵抗器単体での歪みを解析するため,計測方法の検討,歪みの測定,歪みの発生要因について検討を行い,システムへの影響を評価している。
ブリッジ回路構成とすることで元信号をキャンセルし歪み成分のみを取り出せる。DUTとリファレンス素子の配置は対辺とする構成もある。